2011年5月23日月曜日

永遠と一日








ぼくのプロフィールに書いてある、ギリシャの映画、
テオ・アンゲロプロス監督の、
『永遠と一日』(Eternity and A Day)という映画です。

登場人物は、
病に冒され最期の一日を過ごそうとする作家、隣国からの難民の少年、失われた母語で詩を書く為に、言葉を買う詩人。

とても美しい作品。

この映画の中で、
花婿が、親族の行列の先頭でリラ※とアコーディオンの伴奏でダンスをしながら花嫁を迎えに行く、結婚式のシーンがあるんです。

※リラ→ギリシャの擦弦楽器。トルコではケメンチェという呼称(厳密には違うかも)。リラにはいろいろ種類がありますが、作品の中のリラはPontic Lyraかと。






楽曲や演奏がとりわけ素晴らしいわけではない。
荒削りの舞踏曲だし、結婚式も、安直な幸せを感じさせるようには決して描かれていない。人間という生物が、成長して、結婚して、子供を育て、老いて、死にゆくんだ、という人生の一連の過程の入り口を見るような描かれ方です。なにせ、この監督が撮るギリシャは、よくあるステレオタイプの、青い空、青い海、白い町並みなんかではなく、いつも曇った灰色の空、冷たい雨に濡れた街、歴史の流れに翻弄される小国、悲しみを湛えた人々の眼差し。(ああなんて暗いっ!笑)
ただそのシーン、当時高校生のぼくには何か大きな印象で残ったんでしょうね。そんなわけで、ぼくが初めて買ったトラッド系のCDはギリシャの民族音楽でした。

最近、その結婚式のシーンを強く思い出す出来事が思いがけずあったので、
もう一度この作品を観たくなり、DVDが欲しいんです。
でも単品では既に廃盤。。。。
オークションで見たら、未開封新品が18000円で出品されてました。
定価5000円弱なのに。。。。。(泣

監督の全集買うしかないかなぁ。。。。





.

1 件のコメント:

  1. 海外版ならあるじゃん!
    http://www.amazon.com/Eterntity-Â-Isabelle-RenauldÂ-Bruno-Ganz/dp/B000GDH9K0

    返信削除